What'sThe Price


2016年〜2025年企業法人向けの電気料金の推移に関するレポート

2025年6月9日



大手電力会社の電気料金の推移

企業が電力料金にかけるコストは、業種や規模にかかわらず、収益性に直結する重要な要素です。電気料金の値上がりは、特にエネルギーを多く消費する業界にとっては深刻な問題であり、経営者はその影響を受けることになります。ここでは、北海道電力、東北電力、北陸電力、東京電力、中部電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力の電気料金の推移を詳しく見ていきます。



北海道電力

北海道電力の基本料金は、2016年に1kWあたり1,836円でしたが、2025年には2,642円に上昇しました。これは約43.9%の値上げに相当します。また、電力量料金も同様に急激に上昇しており、2016年の11.4円から2025年には22.3円に達し、約95%の上昇となっています。この急激な値上げは、特に北海道内での製造業やサービス業など、電力消費が多い企業にとっては大きなコスト増加を意味します。

電気・ガス料金支援

料金項目 単位 2016年 2019年 2021年 2023年 2025年
基本料金 1kW 1836 1870 1870 2547.6 2642
電力量料金 1kWh 11.4 16.2 16.3 26.3 22.3


東北電力

東北電力の基本料金は、2016年の1kWあたり1,661円から2025年には2,031.7円に上昇しました。値上げ率は約22.3%です。電力量料金は、2016年の15.6円から2025年には21.8円に増加し、約39%の上昇が見られます。このような料金の上昇は、特に電力を大量に消費する製造業や工場などにとって、経営コストを圧迫する要因となります。

電気・ガス料金支援

料金項目 単位 2016年 2019年 2021年 2023年 2025年
基本料金 1kW 1661 2013 2013 2037.1 2031.7
電力量料金 1kWh 15.6 19.59 20.79 28.4 21.8


北陸電力

北陸電力の基本料金は、2016年の1,555.2円から2025年には2,151円に上昇し、約38.2%の値上げがありました。電力量料金も2016年の11.55円から2025年には20.8円となり、約79.4%の上昇を見せています。このように、基本料金および電力量料金の両方で大きな値上げがあり、電力を大量に消費する企業にはかなりの経営負担となります。

電気・ガス料金支援

料金項目 単位 2016年 2019年 2021年 2023年 2025年
基本料金 1kW 1555.2 1584 1997 2151 2151
電力量料金 1kWh 11.55 12.9 19.2 26.4 20.8


東京電力

東京電力の基本料金は、2016年の1,684.8円から2025年には1,890円に達し、約12.2%の値上げとなります。一方で、電力量料金は2016年の12.8円から2025年には20.6円に増加し、約61.4%の上昇を示しています。特に電力量料金の急上昇は、企業のエネルギーコストに対して直結する要素であり、大きなコスト増加を引き起こします。

電気・ガス料金支援

料金項目 単位 2016年 2019年 2021年 2023年 2025年
基本料金 1kW 1684.8 1716 1814.37 1834.7 1890
電力量料金 1kWh 12.8 15.58 13.46 28.84 22.8


中部電力

中部電力の基本料金は、2019年の1,644.76円から2025年には1,716.26円に達しています。値上げ率は約9.5%となります。比較的緩やかな上昇ですが、電力量料金の増加が顕著です。2019年の12.5円から2025年には21.4円に増加し、約71.2%の上昇が見られます。電力量料金の増加が企業にとっては大きな影響を与え、特に電力消費が高い企業にとってはコスト削減の余地が重要な課題となります。

電気・ガス料金支援

料金項目 単位 2016年 2019年 2021年 2023年 2025年
基本料金 1kW 1644.76 1716.26 1716.26
電力量料金 1kWh 15.9 25.2 19.8


関西電力

関西電力の基本料金は、2016年の1,660円から2025年には1,911.8円となり、約15.3%の上昇を見せています。電力量料金は、2016年の14.5円から2025年には17.9円に増加し、約23.4%の上昇がありました。このように、基本料金と電力量料金が共に上昇しており、特にエネルギーを多く消費する業種ではコストに大きな影響を与える要因となります。

電気・ガス料金支援

料金項目 単位 2016年 2019年 2021年 2023年 2025年
基本料金 1kW 1660 1660 1765.5 1911.8 1911.8
電力量料金 1kWh 14.5 16.2 15.3 21.1 17.9


中国電力

中国電力の基本料金は、2016年の1,701円から2025年には1,996円に上昇し、約17.3%の値上げとなります。電力量料金も2016年の11.5円から2025年には22.3円に増加し、約94.8%の上昇が見られます。このように、中国電力でも電力量料金の急激な上昇が企業経営に与える影響は大きく、特に電力消費が多い事業にとっては深刻な問題です。

電気・ガス料金支援

料金項目 単位 2016年 2019年 2021年 2023年 2025年
基本料金 1kW 1701 1701 1732.5 1996 1996
電力量料金 1kWh 11.5 13.7 12.4 27.4 22.3


四国電力

四国電力の基本料金は、2016年の1,518.17円から2025年には1,665円に上昇し、約9.7%の値上げがありました。電力量料金は、2016年の12.7円から2025年には23.1円に増加し、約82.1%の上昇が見られます。特に電力量料金の増加が顕著であり、これが企業のエネルギーコストに大きな影響を及ぼします。

電気・ガス料金支援

料金項目 単位 2016年 2019年 2021年 2023年 2025年
基本料金 1kW 1518.17 1518.17 1546.28 1546.28 1655
電力量料金 1kWh 12.7 14.6 14.2 25.2 23.1


九州電力

九州電力の基本料金は、2016年の2,008.8円から2025年には2,142.78円に上昇し、約6.7%の値上げがありました。電力量料金は、2016年の10.2円から2025年には17.3円に増加し、約69.6%の上昇を見せています。このように、電力量料金の急上昇は、特に製造業など電力消費が多い企業にとっては深刻なコスト増加を招く要因となります。

電気・ガス料金支援

料金項目 単位 2016年 2019年 2021年 2023年 2025年
基本料金 1kW 2008.8 2046 2046 2142.78 2142.78
電力量料金 1kWh 10.2 12.2 11.4 13.6 17.78



政府電気料金支援の影響

企業経営者にとって、電力料金の上昇は直接的なコスト増加を意味しますが、政府の価格補助措置はこの負担を一時的に軽減していました。政府は、2023年1月から電気料金と都市ガス料金に対して価格補助措置を実施し、特に低圧および高圧電力を利用する家庭や企業を対象に支援が行われました。しかし、当初予定されていた5月以降の補助完全終了について、政府は実際には2025年7月から9月まで補助措置を延長することを決定しました。これにより、企業は引き続き支援を受けることができますが、最終的には価格補助が縮小される見込みです。

政府電気料金支援の詳細

2025年4月使用分からは、低圧電力に対して2.0円/kWh、高圧電力に対して1.0円/kWhの補助が提供されます。しかし、2025年5月からの補助完全終了予定の変更により、2025年7月から9月使用分にかけて、価格補助が延長されることとなり、企業の負担は一時的に軽減されることになります。具体的には、2025年7月には低圧電力が2.0円/kWh、高圧電力が1.0円/kWhの補助、2025年8月には低圧電力が2.4円/kWh、高圧電力が1.2円/kWh、2025年9月には低圧電力が2.0円/kWh、高圧電力が1.0円/kWhの補助が提供されます。

政治的影響

政府は2025年7月に参議院選挙を控えているため、価格補助措置を延長することで国民や企業の反発を和らげようとしています。しかし、長期的には価格補助が段階的に縮小され、最終的には撤廃される方針です。これに伴い、企業経営者は今後の電気料金の急上昇に備えて、コスト削減やエネルギー効率の向上を図る必要があります。




結論

企業法人にとって、電気料金の上昇は直面する最大の課題の一つかと思います。特に、電力消費が多い企業にとっては、これらの値上げが収益性に直結します。政府の価格補助措置の延長により、短期的には一定の負担軽減が期待できますが、長期的には価格補助が縮小され、企業は電力料金の上昇に備える必要があります。

地域別電気料金プラン

会社別電気料金プラン